デバイスを縦にして閲覧してください。
大学時代の私は、IT業界で働くなんて全く考えたこともないタイプでした。
服飾について学んでいたので、就活では婚礼衣装をコーディネートする仕事を志望。念願叶って、ブライダルスタイリストとしての就職が決まりました。
希望を持って入社したはいいものの、まさにコロナが拡大しているタイミングで、会社の売り上げは7割減という状況でした。
本来3ヶ月予定されていた新人研修は2週間で打ち切り。漠然とした不安を抱えながらのスタートになったんです。
ただ、幸いだったのは店舗への配属が予定通り決まったこと。なんとか無事にブライダルスタイリストとしてデビューすることができました。
現場は、スタイリスト4人と店長1人という環境。お客様がどんなセレモニーにしたいのかヒアリングして、さらに深く満足していただけるご提案をすることが役割でした。
ウェディングドレスを着るのはお客様にとって一生に一度のこと。だから、皆さんすごく思いを込めて真剣にドレスを選ばれます。
私も新人ながら「そうした思いに最大限応えたい」「満足していただきたい」という気持ちで、精一杯お客様と向き合っていました。
ところが、店舗に配属されたスタイリストはどんどん人数が減ってしまい、最終的には私1人だけになったんです。
まだ入社1年ちょっとだった私にとって、そこから大きなプレッシャーや責任との格闘が始まりました。
人生の中でもとびきり大切なセレモニーである結婚式。いろいろな思いを抱えて準備を進めるお客様たちを目の前にして、「私がやらないと誰もいない」「このお客様たちを悲しませたくない」という思いで日々必死でした。
1日に何件の打ち合わせを入れるかは自分の裁量で調整できるのですが、当時の私は営業時間全てをお客様との打ち合わせに使い、事務作業は閉店後の残業時間に。
深夜に1人で泣くこともありましたが、それくらいお客様が大好きだったし、喜んでいただくことが嬉しかったのは間違いありません。
気づけば、入社した時に目標にしていた「新人賞」と「MVP」を達成。ただ、上司が厳しいタイプだったこともあり、気づけば私の心と体が悲鳴を上げ始めていました。
夜眠れない、休日は何もしたくなくて寝てばかり。上司と顔を合わせると涙が出る、腹痛が起きる……。
「もう休みたい」。自分の状況を素直に受け止めて退社を決意したのは、入社から1年半経った頃。
「辞めたらお客様はどうなるんだろう。次の社員はちゃんと引き継いでくれるだろうか」と、最後まで気になったのはお客様のことでしたね。
自分のことについては、やりたいことが浮かばず、とはいえ他社のブライダルスタイリストになる気にもならず……。なので、業種は絞らないまま「営業職」ということで、転職活動を始めたんです。
転職エージェントにも登録しましたが、中には「ちゃんと希望を固めてから来てください」と相手にされないことも。「キャリア相談に乗ってくれるわけではないんだ」とがっかりしたのを覚えています。
ESESに出会ったのは、ちょうどその頃でした。転職活動していることを伝えていた友人が「会社の先輩の知人にいい人がいる。紹介するよ」と繋いでくれたのが、白川だったんです。
私は転職エージェントの方だと思って会ったのですが、実は白川は当時、ESESの営業メンバーを探していたと後で知りました。
直接会った時、白川が語ってくれたのは「ITのエンジニアも企業も、みんなが幸せになる仕組みを作る」というビジョンです。
それまで、実は心から尊敬するような社会人に出会っていなかった私は、「純粋に社会を良くするためにやっているんだな。こんな気持ちで働いている社会人っているんだな」と新鮮な衝撃を受けました。その感覚は今でもよく覚えています。
私自身も、“お客様の幸せのために尽くす”ことに価値を感じる人間だったから、とてもフィーリングが合うように感じたのかもしれません。
「こんな気持ちで働いている人と一緒に働けるのなら、ここに行くしかない!」。最後は直感で決めたのが、ESESへの入社を決意したきっかけです。
ESESはエンジニア経験がある方を社員として採用し、パートナー企業様の案件に参画させています。その中で私の役割は、エンジニアの配属に向けた営業兼調整役。
いろいろな経歴や希望を持ってESESに来てくれたエンジニアが心から満足して働けているか、そこをいつも気にかけています。
エンジニア業界の労働環境は一般的にかなり厳しいのが現状。例えば「残業を100時間していた」「働いても給料が全然もらえなかった」という声もよくあります。
そうした過去がある社員から「ESESでは安心して働けている」「大谷さんにサポートしてもらってよかった」という言葉を聞くと、心から「ああ、よかった!」と感じるんです。
幸せに働ける環境を提供するため、企業案件とのマッチングは特に慎重に考えます。そして、企業様にそのエンジニアの強みや人柄がしっかりと伝わるよう、面談対策やスキルシートの添削を行うことも営業としての仕事です。
前職では“お客様の幸せのために尽くす”ことが喜びでしたが、今は“社員の幸せのために尽くす”ことに何よりもやりがいを感じています。そう考えると、今も前職も根本は同じですね。
入社の動機が「価値観が合う人たちと働けること」だったので、ESESに営業として入社して以降、第一印象とのギャップなく働き続けられていることがとてもありがたいです。
この業界に入って他社の状況も知るようになりましたが、やはりエンジニアの希望を無視して企業側の都合に合わせた配属をさせるケースは少なくありません。
そうなると、エンジニア側は幸せに働けない。辛いことですよね。
ESESは、そうした課題を自らが変えていくという意気込みで設立された会社。志に心から賛同するし、実際に働いている今でも胸を張って「いい会社だよ」と言えることが本当に幸せです。
前職時代の私は、世の中にはあまり希望を持てないと感じていました。でも「自ら変える」という視点を持てたことに、とても感謝しています。
すぐに浮かんだことは「フラットな視点を持つ」「今の感情だけで動かない」という2点でしょうか。営業としてエンジニア側に寄り過ぎず、法人側とエンジニア側の双方の声を聞いて環境づくりをすることを常に心がけています。
例えばエンジニアから「配属される案件を変えたい」という声が届いた場合、すぐにエンジニアの要望通りには対応しません。
エンジニアの意見、企業様の意見をしっかり聞き、何が問題なのか、改善方法はあるのか、フラットな視点を持って対応することが事業の信頼に欠かせないんです。
また、ESESの社員に対しては「プロとしての立場からキャリア形成をアドバイスする」ということも大事。
希望案件のヒアリングで、例えば「リモートワークの案件がいい」という社員がいたとします。その場合、どうしてそう思うのか、他の希望はあるのか、言葉の裏側を深掘りしていく。
その間、私は客観的な視点をキープして「スキルアップしたいなら、よりいい経験が積める案件に入るべきでは?」というように、その社員の将来につながるアドバイスをしています。
ブライダルスタイリストの時もそうでした。相手の方が話している範囲で決めない。視野を広く持ち、プロとしてより良い提案をしていく。そんな在り方を目指しています。
これからどれだけ社会人経験を積んでいっても、いい意味で「変わりたくない」と思っています。
目の前のお客様、今の役割で言うならエンジニアの社員に心から喜んでほしい。それをプロとしてしっかりサポートしていくことを1番のやりがい、幸せとして働き続けたい。そう思っています。