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今回は「UZUZグループが行っている仕事」や「これからやろうとしていること」は社会的にどんな意義があるのかについてお伝えできればと思います。できるだけわかりやすく説明するので、ぜひ最後まで読んでいただけたら嬉しいです。
日本は今「格差社会」と呼ばれるほど、人々の格差がどんどん広がっているといわれています。
格差社会と聞いて「格差が広がるのはよくない気がする……」となんとなく感じる方は多いでしょう。けれど、その実態まで理解している人は少ないのではないでしょうか。そこでまずは「日本の格差は今どういう状況なのか?」という点を見ていきましょう。
「格差」を定量的に表す数字を「ジニ係数」といいます。
所得の不平等さを測る指標。0から1で表される。0に近いほど所得所得格差は小さくなる。逆に1に近いほど所得格差は大きくなる。
日本のジニ係数は右肩上がりで増加しつづけ、格差はますます広がっています(以下の画像参照)。
引用:株式会社第一生命経済研究所「所得格差に対する誤解」
2014年からは微減少していますが、それでも1990年代と比べると所得格差は大きく広がっています。
一般的にジニ係数は0.5を超えると「格差がかなり深刻な状態である」といわれています。そう考えると、0.5を超える日本は「問題があるほどに所得格差が広がっている状況」ということがわかりますね。
しかし、「格差」は所得だけで決まるものではありません。累進課税や社会保障などの再分配があるので、それを加味した状況も見ていく必要があります。
累進課税や社会保障などの再分配を加味したものを再分配所得ジニ係数といいます。
税金の支払いや社会福祉などによる「所得の再分配」後の収入で計算したジニ係数のこと。
(例)
・税金や社会保険料の控除年金や医療
・介護などの社会保障による給付
・児童扶養手当などの給付
引用:厚生労働省「所得再分配によるジニ係数の改善の推移」
再分配ジニ係数には、「警戒ライン」があります。一般的には0.4が警戒ラインとされており、その数値を超えると暴動や社会騒乱が増加するといわれています。
そう考えると「日本の所得格差はやばい」けれど、「再分配後を見ると数値が落ち着いている」といえそうです。
「じゃあ問題ないのか?」というと全くそんなことはありません。ここまで難しい話ばかりで疲れてしまった方もいるかと思いますが、ここからが本題。
UZUZが掲げる「自らと若者がウズウズ働ける世の中をつくる」というミッションに大きく関わる社会課題と、UZUZが手がける若者支援に関する事業の社会意義について説明していきます。
次のグラフは、年代ごとの「当初所得ジニ係数」と「再分配所得ジニ係数」です。
引用:株式会社第一生命経済研究所「所得格差に対する誤解」
【1】20代は所得格差が大きい。しかし30代で格差はガクッと下がり、それ以降は年齢を重ねるごとに所得格差が広がっている。
【2】30代以降は所得格差を埋めるように社会保障が手厚くなっているため、再分配所得ジニ係数は上がっていない。
【3】30代未満への再分配は足りておらず、格差が社会保障で埋まっていない。
先ほどのグラフを見ると、20代は非正規雇用で働く人が多く、所得格差が非常に大きい(75歳未満で最も大きい)ことがわかります。
一方で30代までに多くの人が正社員になる傾向があるため、所得格差は大きく縮んでいます。しかし、ここから歳を重ねるごとに所得格差が広がっています。
つまり「20代で安定的な職に就くことができた人」と「そうでない人」の間では、年齢とともに大きな差が開いてしまっているのです。
UZUZでは、20代を中心に就職・転職を支援する人材紹介サービスを行っていますが、実際に求職者を支援しているからこそわかるのが、30代以降は年齢を重ねるごとに未経験から正社員へ就職する難易度が非常に高くなっていること。
正社員への就職が難しければ非正規雇用で働くことになりますが、非正規雇用だと“社会保険に加入できない仕事”も多いです。
社会保険に入っていない状態で体調を崩して長期間休んでしまうと、給料は支給されません。それに休職手当も出ませんし、退職することになっても失業保険を受給することができません。さらには、すぐに再就職を目指しても、年齢が高いと正社員のオファーはもらいづらいもの。
すると、収入を得られる職に就けないまま貧困になってしまい、生活保護を受給して生活するしかなくなってしまう……。そして年齢をさらに重ね、ますます安定的な職に就く機会を得づらくなってしまう……。まさに、負のループが起こっています。
だからこそ、UZUZの行っていることには大きな意義があります。
上記のような状況にある方に、“年収がしっかり上がっていくキャリアを積める正社員”の仕事を紹介することで、その人の30代以降の人生を大きく変えることができます。
最近では今までサポートできていなかった、以下の方々に対してもサポートできるよう幅を広げています。
つまりUZUZは就職に対して悩みを抱え、安定的な仕事の獲得が不利になってしまう可能性のある方々の支援を通して、将来生活に苦しむ方を減らすことに大きく貢献しているのです。
※ビジネス的な側面の補足:既往歴は計測できていませんが、それ以外の3つの属性の方々は決定率が平均より高いデータが出ています。そのためただの慈善事業ではなく、この方々を支援することはビジネス的にもプラスといえます。
グラフからわかるのは、みんなが払っている税金の多くは高齢者の社会保障に使われているということ。
日本は社会保障が手厚いため、年齢を重ねても格差をあまり感じずに生活できる点はとても素晴らしいです。しかし「若者」に目を向けると、別の問題が見えてきます。
年齢を重ねても格差をあまり感じずに生活できる反面、問題なのは30代未満への再分配が足りておらず、社会保障で格差を埋められていないという点です。
つまり「若い人ほど大きな格差がある」のが今の日本社会なのです。
格差を表す言葉として「相対的貧困」という言葉があります。
「相対的貧困」とは、その国や地域の水準の中で比較して、大多数よりも貧しい状態のことを指しています。 そして「相対的貧困家庭」とは世帯の所得が、厚生労働省が公表している相対的貧困率の算出方法から、等価可処分所得の中央値の半分に満たない世帯と定義付けられています。
具体的な所得は、以下の通り。
・単身者世帯では約124万円
・2人世帯では約175万円
・3人世帯では約215万円
・4人世帯では約248万円
引用:認定NPO法人3keys「子どもの貧困の定義とは 年収いくらくらいを指すの?~貧困の子どもは日本に255万人(7人に1人)」
日本の相対的貧困家庭の子どもは、7人に1人いるといわれています。
さらに、ひとり親世帯の状況は深刻です。日本にシングルマザーの世帯は123万世帯あるといわれていますが、厚生労働省「ひとり親家庭の現状と支援施策について」の資料によると、そのうちの48.1%が相対的貧困家庭。さらに離婚したシングルマザーの内、養育費を受け取れている家庭は1/4にも満たないとのこと。
超格差社会といわれるアメリカでも、シングルマザーの家庭の相対的貧困家庭率は35.8%。この点を考えると、日本はシングルマザー、そしてその子どもに優しくない国といえるかもしれません。
「お金がないのは、その人の責任。努力してこなかっただけでしょ?」という考えをもつ方もいますが、この考え方は間違っています。
重要なのは環境です。相対的貧困家庭で育った「Aくん」を例に考えてみましょう。
育ち盛りの小学生Aくんは、家で十分なご飯が食べられません。学校でもいつもお腹が空いているので、授業に集中できず、学力をつけることができません。
Aくんのお母さんは、お金を稼ぐために昼も夜もお仕事を頑張っています。その分、家でAくんの勉強を見たり、読み聞かせをしたりする時間が取れません。そのためAくんは、国語力が高まらず、文章を理解する能力を養うことができませんでした。
そんな状態で中学校に進学しました。「このままじゃマズい!努力して学力をつけなきゃ!」と気付いたAくん。しかし既に“教科書を読んでも理解できない状態”で、努力で取り返すことも難しくなってしまっていました。
そのまま年齢を重ね、就職活動が始まりました。友人は数多くの仕事から就職先を選んでいます。しかしAくんは、“収入が上がりづらい職業”の中からしか仕事を選べない状況に陥ってしまっていたのです。
これは本人の努力不足が原因でしょうか?
また、「シングルマザーのお母さんが悪いのか?」というと、そんなこともないと思います。合わない人と離婚するのは自然な選択で、それが悪いなんてことはありません。
今だに「離婚はよくない」という画一的な価値観を持っている人もいますが、「ブラック企業で働き続けて壊れてしまうなら、そうなる前に辞めた方がいいに決まっている」という状況と同じです。離婚した方が良いケースはたくさんあります。
また、自分が子育てをしているからこそ思うのは「1人で子どもを育て、仕事も家事も両立して稼ぐ」なんて難易度が高すぎます。一人親になって、仕事をしながら子育てをしているお母さんは本当にすごいと思います。
悪いわけありません。当人たちが悪いわけではないからこそ、環境を整える必要があると思っています。
国は、増える高齢者のために頑張って社会保障を充実させてくれている。だからこそUZUZがやるべきことは、若者のための支援。だからこそUZUZモデル(以下画像参照)を実現して、若者も救われる世の中に変えていきます!
今後も若者がウズウズ働ける世の中をつくるために邁進していきます!