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正社員以外で働くことの実態について

考え方

2024.10.15

週刊ひろき

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UZUZでは日々「正社員で働きたい!」と考える若者の就職を支援しています。

 

「非正規だと将来が不安定だから正社員になった方がいいよね!」という視点は、多くの人が持っていると思います。一方で非正規で働く人の実態について、実は詳しく知らない人も多いのではないでしょうか?

 

今回は、非正規(正社員以外)で働く実態に関してお話していきます。

非正規で働く人の割合

まずは「非正規雇用労働者の割合推移(年齢別)」を見てみましょう。

非正規雇用労働者の割合推移(年齢別)

画像:内閣府「若者雇用の現状と対策

上記は、2002年(平成14年)〜2013年(平成25年)の非正規で働く人の割合を表したグラフです。若年層(15歳〜24歳)の割合は横ばいですが、キャリア層(25歳〜34歳)は増加傾向にあることがわかりますね。

キャリア層(25歳〜34歳)の非正規割合が増加傾向にある仮説

・正社員として就職しないまま学校を卒業した場合、正社員になれず年齢を重ねてしまう傾向が高い可能性がある

・正社員として新卒入社した場合でも、その後退職や転職/異動などで非正規として働くと正社員に戻りづらい可能性がある

・2008年のリーマンショックの影響で、非正規で働くことになった人が増えた可能性がある

次に、以下2つのグラフを見てみましょう。2012年〜2022年の情報を表したグラフです。

上記を見ると、先ほどのグラフ(2002年〜2013年)では増えていたキャリア層(25歳〜34歳)の非正規比率が、2012年〜2022年ではグングン下がっていることがわかります。

 

※15歳〜24歳の非正規率も増加していますが、初めのグラフと異なり学生なども含まれているためです。

キャリア層(25歳〜34歳)の非正規割合が減少傾向にある仮説

高齢化が進み労働力の不足が厳しくなったため、非正規から正社員に就職できる道が増えている可能性がある(既卒・第二新卒にとっては追い風でしょう)

では「今後はどうなっていくのか」という観点で考えると、今後もキャリア層の非正規比率は下がっていくと私は予想しています。

 

理由は「需要(必要な労働力)」に対して「供給(働ける労働力)」が減り過ぎているから。

 

2022年に22歳になった人口の数は119万人。一方で、2022年に生まれた子どもの数は77万人です。上記の数字を見るだけでも、子どもが生まれる数が少ない(=将来の供給(働ける労働力)の数が少ない)ことが見て取れますよね……!

 

供給(働ける労働力)が35%以上減る事実が確定している一方、需要(必要な労働力)は今後も微増していくことが予想されています。さらに、ここから22年間で引退する世代の人数は明らかに供給(働ける労働力)の人数よりも多いため、労働力不足は超加速することでしょう。

 

そうなると、「私たちの働く環境」はどう変わっていくのか。

労働力不足の超加速により起こり得る仮説

・非正規の経験のみでも、正社員として採用する企業が増えていく可能性が高い新卒採用が難しくなる(できない)企業が増加する可能性がある

・新卒採用のみ行っていた企業も、既卒・第二新卒を“新卒枠”として採用する企業が増加する可能性がある

新卒枠の採用案件を確保=既卒・第二新卒の就業先確保にも直結するため、UZUZも既卒・第二新卒に加え新卒の人材紹介にも足を踏み入れています。

非正規で働く実態

さて、ここからは非正規雇用の実態についてもう少し深く見ていきましょう。

 

あなたは、非正規で働く人たちはどうして非正規の働き方を選んでいると思いますか?「非正規雇用で働いている人は、正社員になりたくてもなれないから“やむを得ず非正規雇用”として働いている」というイメージを持っている人も多いのではないでしょうか?

 

ですが、実態は違います。以下の表を見てみましょう。

不本意非正規の状況

画像:内閣府「若者雇用の現状と対策

上記は、本当は正社員として働きたいのに働けず、不本意ながら非正規として働いている人の割合を示した表です。数値を見てみると、若年層(15歳〜24歳)では14.3%、キャリア層(25歳〜34歳)では26.9%と、不本意非正規の割合はかなり低いことがわかります。

 

つまり蓋を開けてみれば、多くの人が自ら非正規という働き方を選んでいるのです。くわえて、下記のグラフも見てみましょう。

現在の雇用形態で働くことを選んだ理由の割合を示したのが上記のグラフです。データを見てみると「自分の都合の良い時間に働きたいから」という割合が右肩上がりに増えている一方で、「正社員の仕事がないから」という理由はどんどん下がっていっています。

 

やむを得ず非正規で働いている人の割合が減少傾向にあることを思うと、今後もさらにその数は減っていくことが予想されます。だからといって、「非正規に関する課題はないのか?」といえば、全くそんなことはありません。

学校中退後の就業状況

画像:内閣府「若者雇用の現状と対策

上記の通り、学校を中退した人の正社員比率は著しく低く、6割前後が非正規雇用です。中退する人の多くは「フルタイムの正社員で働きたい!」と思っており、実際中退していても正社員就職は問題なくできます。

 

しかし残念なことに、中退している人にその情報は正しく届いていません。だからこそ「中退したから正社員雇用は無理だろう……」などと諦め、不本意な気持ちで非正規の働き方を選ぶ人を減らすため、中退を検討する人にもっとUZUZの情報を届ける必要があると思っています。

 

さらにフリーター期間別にみた正社員になれた人の割合を表した、以下のグラフも見てみてください。

フリーター期間別にみた正社員になれた者の割合(20~29歳

画像:内閣府「若者雇用の現状と対策

上記を見ると、フリーター期間が長いほど正社員への転換が難しくなってしまう傾向にあることがわかります。

 

「もっと若い時に気づいていれば、あの仕事に就けたかもしれないのに……」と後悔する人を減らすためにも、UZUZではフリーターに関する情報を発信し、UZUZを頼ってくれた正社員を目指す方をしっかりとサポートすることが大切だと考えています。

 

非正規のさらなる問題

ここまで「若者(〜35歳)」と「非正規を選ぶ本人」の視点でお話してきましたが、さらに上の年代に目を向けると、非正規で働く実態にはもっと大きな問題が存在しています。

 

まず非正規で働き、かつ収入が低い場合、生活資金が足りず一人で生活することが難しくなってしまいますよね。すると、親と同居して生活する人が多くなります。

 

事実、1980年には親と同居する壮年層(35歳〜44歳)の人数は39万人でしたが、現在は288万人まで増えており、そのうち親の収入で生活している人は217万人です。

 

壮年層(35歳〜44歳)の子どもと暮らす親が、今後も子どもを支え続けられるかというと非常に難しいのが現状でしょう。

 

支え続けるのが難しい理由は、賃金が上がりづらくなってしまったから。賃金が低いとなかなか貯金もできませんし、年金支給額も年々低下している傾向にあります。つまり定年したとしても、お金に余裕がない状態になってしまうのです。

 

定年を迎えて収入が減るなか、同居する子どもも非正規で収入が低い現状が続けば、生活に困窮してしまう世帯が、さらに増えていってしまうかもしれません。

 

今はまだ大きな社会問題になっていませんが、それは親が現役世代で生活が成り立っているからです。子どもを養いきれなくなったり、親が亡くなってしまったりした途端、生活が破綻してしまう可能性もあるでしょう。

 

「いざとなっても親の残した財産や土地があるから大丈夫!」と思う人もいるかもしれませんが、安心はできません。平均寿命が伸び続ける今の時代では、親自身も老後生活費として預貯金を使い切ってしまうケースが増える可能性もあります。

 

また土地などがあっても、人口減少社会では不動産の価値も大きく目減りしてしまうでしょう。実際2018年に13.6%だった日本の空き家率は、2033年には30.3%になると予想されています。たった15年で、2.22倍です。

 

しかも2033年は人口減少の入り口にすぎません。2033年の日本の人口は1.11億人と推測されていますが、これが2050年には9,515万人、2060年には9,000万人を下回るともいわれています。そのため首都圏のごく一部のエリアを除いて、土地の価値はどんどん減少していくでしょう。

 

さらに言えば、価値が下がり続けているにも関わらず、相続するにはお金がかかるうえ、固定資産税もかかってしまいます。価値が下がり続けるものにお金を払い続けなければならないのはなかなか厳しいですよね。

 

上記のような背景もあることから、将来のことを考えずに過ごしてしまうのは良くありません。人生を自分の手でコントロールできるように知識を身につけることはとても重要です。

 

けれど、「生活が困窮してしまうのは、ちゃんと働いてこなかった人たちの責任だよね」「生活保護を活用したら良いのでは?」と考える人もいるかもしれません。ですがそれは違います。若年層・キャリア層の私たちも、問題を自分ごと化して考えなければなりません。

 

貧しい世代の老後を全て生活保護で対応しようとすれば、20兆円近い追加費用が必要になるという政府の試算もあるほど、事態は深刻です。くわえて問題になるのが、この世代を支える「次の世代」は、現在の中学生や高校生辺りの世代であるということ。

 

人口ボリュームの小さい(団塊ジュニア世代の6割ほど)次の世代がその負担に耐え、世の中が正常に回り続けられるかというと、非常に難しいと容易に想像がつくと思います。

 

ですが「そんな未来が来るなんて、お先真っ暗だ……」と考える必要はありません!過去・現在の情報収集を行い未来の予測を立てれば、自身の未来を変えるためのヒントを得ることができます。

 

今後厳しくなる未来が見えているからこそ、UZUZグループは「一人ひとりの未来の不安・課題を解決する」ために、UZUZモデルを実現していきます。

もちろん、UZUZモデルだけで全ての問題が解決できるとは思っていません。ですが、それぞれが目の前の問題と向き合って解決に全力で取り組んでいけば、厳しい未来予測も変えていくことができると思っています。

 

最高の未来を迎えるためにも、UZUZグループも私自身も全力で取り組んでいきます!

この記事を書いた人
岡本 啓毅 おかもと ひろき 代表取締役社長

株式会社UZUZ代表取締役社長。北海道出身で高校卒業後、米国アラバマ州立大学ハンツビル校にて宇宙物理学を専攻。会長・今村と学生生活をおくる。大学卒業後は日本のベンチャー企業に入社するも、今村と約束した起業を実現するべく1年で退職。UZUZの副社長を経たのち、代表取締役社長に就任。