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現場に力をもたらすための仕組み・制度を整える【前編】

考え方

2025.7.01

週刊ひろき

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私は、「どうすれば、もっともっとウズウズ働ける世の中を作ることができるだろうか?」と日々考え続けています。そうして辿り着いた答えの1つが、今回の週刊ひろきのタイトルにある「現場に力をもたらすための仕組み・制度を整える」ことです。

 

もう少し具体的にいうと、経営陣だけが判断するのではなく、現場が判断して物事を進められる範囲を広くしていくことが重要だと考えています。

“ウズウズ働くために必要なこと”とは

そもそも自分自身がウズウズ働くためには、乗り越えなければいけない課題・誘惑がたくさんありますよね。目の前の仕事をただ単にこなしていくだけでは、ウズウズ働くことにはなかなか近づいていきません。また、どこか良さそうな会社に入ったら必然的にウズウズ働けるというわけでもありません。

 

自ら“自分の理想するウズウズ働いている状態”を考え、その“理想を実現化させる力を身につけていくこと”が必要です。そして、その過程で必ずぶつかる様々な壁を乗り越えるには、自分の目の前にある仕事だけではなく、より広い領域で物事を考え、周りと協調し、問題解決の範囲を広げていくことが大切なんです。

 

自身がウズウズ働くためには「自分だけが上手くいけば良い」という狭い範囲の思考や問題解決力では解決できない壁が本当にたくさんあります。しかし「ウズウズ働く」を探求し続ける人は、その壁を超える経験を数多く積めるので、だんだんと自分の範囲を広げていくことができます。

 

その結果、自分自身がウズウズ働ける状態に近づいていきますし、自らのウズウズを探究できる人がUZUZグループの中に増えていけば、自分だけではなく世の中もウズウズ働いている状態に近づけることができます。そのためには、「自ら考え自らの責任で意識決定し、結果と向き合い続けること」が重要です。

社員が“ウズウズ働く”ために、私がすべきこと

ウズウズ働く社員を増やすためには、私(経営者)が「自分で考えて決断するんだよ!」と言うだけでは全く足りないと思っています。必要なことは、組織として現場で決裁できる範囲を広げていくこと。

 

しかし、“ただ範囲を広げた”だけでは上手くはいきません。「現場の決裁権を大きくしたいし、全部現場で決めていいよ」としても、“決断できる範囲の広さ”に対して“実力”が大きく不足していると、以下のような状態に陥ってしまいます。

決裁権を広げたとしても実力が伴っていなければ……

・決断する上で何を考慮すればいいのかわからない
・考慮すべきポイントは分かったとしても、問題解決能力が足りないと課題が解決できない

人は、自分のレベルを超える問題にぶつかると思考停止してしまったり、他責思考を持ってしまう生き物です。そのような状態で任せることは「権限委譲」ではなく、「雑な丸投げ」ですよね。

 

雑な丸投げでは人は育たず、ごく一部の“元々自分で出来る人”だけが生き残り、それ以外の人はバタバタ倒れてしまう組織になってしまいます。そして、本当に申し訳ないと思っているのですが、今までのUZUZはそんな組織でした。

 

人をしっかり育てる組織ではなく、育つ人が結果的に自力で成長して残ってくれている状態でした。その状態から抜け出ししっかり人が育ちウズウズ働くことに近づける組織を目指したいと考え、1年前から様々な取り組みを進めています。

UZUZが取り組んでいること

【1】上司の伴走力を上げる
【2】効率性・分業制の罠に陥らない
【3】広い視野を持つ人材が育つ「風土」や「仕組み」を作る
【4】責任者として経験を積める場を増やす
【5】ビジョンの浸透
【6】(出社可能な人は)週1出社へのルール変更

長くなってしまうので、前編・後編に分けて、その取り組みをご紹介します!

取り組み【1】上司の伴走力を上げる

丸投げにならないためには、上司の伴走力が大切です。

伴走力のある上司とは

1.放置せずに、しっかり部下の状況を見て把握する
2.把握したうえで、部下が主体性を持って取り組み、成果が出せるように必要なフィードバックを行う
3.部下が「自分の力でやり遂げて成果が出せた!」と自信持てる状態を作り、さらに大きな一歩を踏み出せるよう支援する

そんな“伴走力がある上司”をUZUZに増やしていくことが重要です。そのためにはまず私をはじめ、役員がそのような上司にならなければいけません。

 

ですがお恥ずかしながら、私自身そのような伴走力のある上司として機能していない時期が長くありました。自分の“上司としての実力の低さ”が役員の成長を阻害し、それがマネージャー・リーダーの成長を加速させられていない原因になっている。そう考えて、ただいま改善に取り組んでいる最中です。

 

私の伴走力が上がれば、近くで働く役員の伴走力も上がり、それがマネージャー、リーダー、メンバーにも広がり、全社をレベルアップさせることができると思っています。

 

また、組織全体の伴走力を上げるための「仕組み作り」も進めてきました。新しく導入した、“中間フィードバック(期の中頃で、上司と部下で目標に対するフィードバックミーティングを行うこと)”も、組織全体の伴走力を上げるための仕組み化の一つです。

 

メンバーの行動が変わるようなフィードバックができる上司になるには、そのための経験を積む必要があります。さらにただ経験を積むだけではなく、自分自身のフィードバックを振り返り・改善することが大切です。そのために、13期からは、月に1回「リーダー・マネージャー研修」を行っています。このような場で、自分や他のリーダー・マネージャーのフィードバックについて振り返り・話し合うことで、次回以降のフィードバックを改善していきます。

 

伴走力は一朝一夕で身につくものではありません。私もまだまだ勉強中の身です。こうして継続的に学び続けられる「仕組み」を整えることで、組織としての力を高めていけると思っています。

取り組み【2】効率性・分業制の罠に陥らない

「仕事は効率的に進めた方がいいよね」「そのためには、しっかり分業化してやるべき仕事に集中できる状態を作った方がいいよね」という考えは、とても大切だと思っています。しかし、効率化・分業化の弊害を理解しないまま何も考えずに取り入れてしまうと、逆に組織の伸びが鈍化してしまうかもしれないと感じ、現在改善に取り組んでいます。

創業当初のUZUZの話

大前提「効率化・分業化」は、一つひとつの仕事がシンプルになるので成果が上がりやすく、実際UZUZでも様々な業務において積極的に取り入れていました。

 

たとえば、キャリアアドバイザーの業務もそうです。創業当初のUZUZでは、新人キャリアアドバイザーが目標達成できるようになるまで1年ほどの時間がかかっていました。

 

当時はアシスタントもいませんでしたし、カスタマーサポート業務もリクルーティングアドバイザー業務も、全てキャリアアドバイザーが兼任している、今考えると過酷すぎる状況でした。さらにマニュアルなどもほぼない状態で、口伝で仕事を教えている状態。

 

こんな状態ですから、当然採用しても成果が出るまで長い時間がかかり、新人はなかなか成功体験を積めない。実際にはしっかり成長していたとしても、本人が成長を実感できず、自信を持って仕事がしづらい状況でした。

 

その時と比べると、マニュアル化・分業化・効率化が進んだことによって、新人も早期に目標達成ができるようになっており、組織として大きく前進できたと思います。しかし分野によっては、それが“進みすぎること”にも問題があると感じるようになりました。

“分業化”しすぎた結果……

業務が分業化され単純になるということは、自分の担当業務もそれだけ狭い範囲になるということです。自分の担当領域以外の業務経験を積まなくなると、当然取り組んでいる仕事全体の解像度も低くなってしまいます。

 

このことを実感したのは、採用業務に関わるようになってから。私は採用の2次面接官を担当しているのですが、社内推薦で上がってきた求職者の書類の中には「うっ……!書類の格子ぐちゃぐちゃ……誤字脱字も多い……求職者の顔ともいえる履歴書・職務経歴書がこの状態の方に、就業サポートを任せるのは不安だな……お見送りにしよう……」と判断する書類が多いことに、ふと気がつきました。

 

そして、一次面接担当者に「この書類でおかしいと思うところはあるかな?」と聞いたところ、「わからない……」という状態でした。一次面接を担当してくれているメンバーは、UZUZのキャリアアドバイザーの中でもトップクラスの人材です。その人たちが書類を添削できていないのは、分業化が進んだことにより書類のチェック方法を知らないままキャリアアドバイザー業務を積み重ねてきたことが原因です。

 

そして、当然その下につくメンバー全員が書類の作り方を学べないまま業務に取り組んでいる状態だと気づきました。

 

現在では、採用に入ってくれているメンバーには都度、「書類の見るポイント」や「求職者との面談における大切なポイント」を毎回フィードバックするようにしています。その結果、みるみる急成長し採用の精度も上がってきています。

 

今回あげた例は一例ですが、仕事を単純化する際には、それを単純化することの弊害も踏まえて選択していくことが大切です。また、新人の成長速度を考えて単純化したところからスタートし、その後順々に範囲を広げ視野とスキルが広がっていく業務フローを作っていくなども大切だと思います。

 

そのような視点を持って制度・仕組みをバージョンアップさせている最中です!

取り組み【3】広い視野を持つ人材が育つ「風土」や「仕組み」を作る

組織として「広い視野を持てるようになるための風土・仕組みづくり」を進めていこうと考え、複数の打ち手をしています。

評価制度の刷新

13期から、他部門の人の業績目標も確認できるようにしました。他の人が何を目指して業務に取り組んでいるのかを知ることで、お互いにとってプラスになる連携が取りやすくなります。

採用に現場が関わる

一緒に働きたい人を自分で決められるようになります。そして採用業務に関わると、キャリアアドバイザーとしての能力を一気に高めることができます。

リーダー・マネージャー研修

その名の通り、リーダー・マネージャーになった社員が参加する研修です。体系的にマネジメントを学ぶ場となっています。まずは基本的なマネジメントについて研修を行っていますが、今後はUZUZならではのマネジメントを学べるようにパワーアップしていきます。

達成旅行プロジェクト

人材紹介とその他のチームのメンバーが一体となり同じ目標に向けて進んでいくことで、いつもは一緒に仕事をしないチームのことを知り・協力して物事を進める機会になることを目指しています。

まとめ

今回は、取り組み1〜3をご紹介しました。
このように、それぞれ目的を持ち制度や文化作りを考えています。

 

次回の投稿で、「現場に力をもたらすための仕組み・制度を整える」の後編をお伝えします!

この記事を書いた人
岡本 啓毅 おかもと ひろき 代表取締役社長

株式会社UZUZ代表取締役社長。北海道出身で高校卒業後、米国アラバマ州立大学ハンツビル校にて宇宙物理学を専攻。会長・今村と学生生活をおくる。大学卒業後は日本のベンチャー企業に入社するも、今村と約束した起業を実現するべく1年で退職。UZUZの副社長を経たのち、代表取締役社長に就任。